「100円で本当に惣菜が買えるの?」 そう思う方もいるかもしれません。 でも茨城県那珂市の「音風(ふーね)」では、それが現実。 この記事では、昼は100円均一の惣菜店、夜は昭和レトロな居酒屋として親しまれる「音風」の2つの魅力に迫ります。
音風(ふーね)とは?昼と夜で表情が変わる人気店
茨城県那珂市にある「音風(ふーね)」は、昼と夜で異なる顔を持つ地域密着型のお店です。昼はお惣菜をすべて100円で提供するテイクアウト専門の惣菜店、そして夜は昭和レトロな雰囲気の中で一品料理を楽しめる居酒屋として営業しています。まさに“二毛作”ともいえるこのスタイルは、地元住民のみならず口コミで訪れる人々にも人気です。
お店の外観はこぢんまりとしていて一見すると昔ながらの食堂風。けれども、中に入ると地元の人たちが思い思いに過ごしている温かな空気に包まれます。昼と夜、それぞれの時間帯で違った顔を見せてくれるのが「音風」の魅力。家庭的な味とアットホームな雰囲気を求めて、幅広い世代が通い続ける理由がそこにあります。
さらに、店主の人柄もこの店の魅力を語るうえで欠かせません。訪れる人ひとりひとりに気さくに声をかける姿は、初めてでもどこか懐かしさを感じさせ、心を和ませてくれます。
【昼の顔】100円惣菜が並ぶワンコインの幸せ
音風の昼営業では、驚くことにすべての商品が100円(税込)という信じがたい価格で販売されています。並んでいるのは、唐揚げ、煮物、サラダ、焼き魚、おにぎり、丼ものなど、なんと70種類以上。お惣菜というより、もはや小さな定食屋レベルの充実ぶりです。これだけの種類がありながら、すべて手作りというのだから驚きです。
店内にはテーブルはなく、昼の部は基本的にテイクアウト専用。訪れた人たちは思い思いにトレイを手に取り、まるでバイキングのようにお惣菜を選んでいきます。栄養バランスのとれたメニューが多く、特に地元の主婦や年配の方々に好評です。
味付けはどれも優しく、家庭の味を思い出させてくれます。唐揚げは外はカリッと中はジューシー、煮物はしっかりと味が染みており、冷めてもおいしいのが魅力。1品100円だからといって手を抜いている様子は一切なく、丁寧な調理が感じられます。
また、買い物のついでや仕事の合間に立ち寄れる気軽さも大きなポイント。お昼の時間になると、車や自転車で次々とお客さんが訪れ、お惣菜を手に取っていきます。お財布に優しく、しかもどこか懐かしい味わいが心まで満たしてくれる──音風の昼の顔は、そんな“日常のごちそう”なのです。
【夜の顔】昭和レトロな居酒屋としての魅力
昼の惣菜店としての顔から一転、夕方以降の音風は、どこか懐かしさを感じさせる昭和レトロな居酒屋へと姿を変えます。入り口に灯る暖簾と小さな提灯の明かり、古びた木のカウンターと壁に貼られた短冊メニュー。まるで映画のワンシーンに登場しそうな世界観が広がっています。
居酒屋としての営業では、500円均一のメニューが中心。煮込み、焼き魚、串焼き、手作り餃子など、どれも酒との相性抜群のメニューが並びます。昭和の歌謡曲が静かに流れる中、常連客同士の会話が飛び交い、時には店主を交えた笑い声が響く、アットホームな空間が広がっています。
特にカウンター席に座ると、まるで店主の家に招かれたかのような気分になります。「今日のおすすめはこれだよ」といった軽い会話から始まり、料理が運ばれてくるまでの時間すら心地よく感じられるのが不思議です。
また、店内はあえて改装をしていないため、どこを見ても昭和の風情が残っています。レトロなポスターや年季の入った冷蔵庫、木の床や椅子など、すべてがこの店の歴史を語っているようです。懐かしさを感じながら一杯やれるという体験は、今の時代ではなかなか得難いものとなっています。
地元の人にとっては憩いの場、遠方から訪れる人にとっては“時間旅行”のような場所──それが音風の夜の顔です。
メニューは?おすすめ惣菜・一品料理を紹介
音風を語る上で外せないのが、やはりそのメニューの魅力です。昼と夜で異なるスタイルのメニューが提供されていますが、どちらも“リーズナブルでおいしい”を地でいくラインナップ。
昼の部では、お惣菜がすべて100円という信じられない価格で提供されているだけでなく、バリエーションの豊富さも注目です。特に人気の高いのは、「唐揚げ」「煮物の盛り合わせ」「ポテトサラダ」の3つ。どれもごはんとの相性が抜群で、数種類を組み合わせてワンプレートにすると、お昼ごはんが完成します。中には、日替わりで提供される「ハンバーグ」や「焼き鮭」などもあり、通うたびに違う味が楽しめるのもリピーターが多い理由のひとつです。
夜の部になると、500円均一のメニューに変わりますが、こちらもクオリティは折り紙付き。「牛すじ煮込み」はトロトロになるまで煮込まれ、味わい深く、お酒が進む一品です。また、「手作り餃子」は皮がもちもちしていてジューシー、常連さんにもファンが多い逸品です。定番の「焼き鳥」や「出汁巻き玉子」も丁寧に作られていて、何を頼んでも外れがありません。
さらにドリンク類も昭和感を残しつつ、定番のビールから焼酎、ホッピーなどが揃っています。ドリンクとの相性を考えたメニュー構成は、まさに“飲み助”のための設計といえるでしょう。
音風のメニューは、価格以上の満足感と懐かしさを提供してくれるのです。
店主の人柄と「通いたくなる」理由
音風の魅力は料理や雰囲気だけにとどまりません。何よりも強く人々を惹きつけているのは、店主の存在です。昼も夜も変わらぬ笑顔で迎えてくれる店主は、まるでご近所の“おばあちゃん”のような存在。誰にでも気さくに話しかけ、初めての来店でもまるで昔から知っているかのような温かさで接してくれます。
例えば、「この煮物、今日は味付けちょっと濃いかもよ〜」といったようなひと言が添えられることで、単なる買い物が温もりある交流の場に変わります。こうしたやり取りが、音風に通う常連客たちを自然と生み出しているのです。
また、夜の部ではお酒が進むほどに、店主との会話も深まり、地元の歴史や店の裏話が聞けることもあります。そんな距離感の近さが「また来よう」と思わせてくれるポイント。
料理の味に感動し、雰囲気に癒され、そして店主とのやりとりに心が温かくなる──それが、音風が愛される所以なのです。
アクセス・営業時間・まとめ
音風(ふーね)は、茨城県那珂市にある知る人ぞ知る名店です。JR水郡線の中菅谷駅から徒歩約15分ほどの距離にあり、駐車場も完備されているため車での来店にも便利です。
- 住所:茨城県那珂市菅谷2323
- 営業時間: 昼(惣菜販売)11:00〜14:00頃 夜(居酒屋営業)17:30〜22:00頃
- 定休日:日曜日
まとめると、「音風(ふーね)」は、昼はワンコインで満腹になれるお惣菜の宝庫、夜はタイムスリップしたような昭和居酒屋という2つの魅力を併せ持った店です。料理のクオリティとコスパ、そして何よりも店主の人柄に触れたとき、「また来よう」と思わせてくれる。そんな“心のよりどころ”のような場所です。
お近くにお住まいの方も、少し足を伸ばせる方も、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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